「がんばってることは分かってる。でもつい『なんでちゃんとやらないの?』って言ってしまう」
子育ての中でそんな自分にモヤモヤした経験、きっと誰しもあるのではないでしょうか。
チャイルドコーチングの中で、私がとても大切だと感じているのが“承認”のスキルです。
今回は、日々の親子の関わりの中で使える「承認」について、実際のエピソードを交えて紹介します。
チャイルドコーチングにおける「承認」とは?
チャイルドコーチングでいう“承認”とは、子ども自身の存在や行動、成果に対して、価値を見つけて伝えること。
親が子どもに対して「見ているよ」「あなたのがんばりを受け止めてるよ」と伝えることが目的です。
3つの承認の種類
- 結果承認:成果や達成に対して注目する。
- 行為承認:努力や工夫、プロセスに注目する。
- 存在承認:ただ「そこにいてくれるだけ」でOKとする関わり方。
日々の中で、これらの承認をバランスよく取り入れることが、子どもの自己肯定感を育てていくカギになります。
日常で意識した“ことばがけ”
たとえば、うちの子は、よく「タイミングが悪い」と思ってしまうような場面があります。
チャイルドコーチングを学び、承認のスキルを意識しはじめてからは、
- 「ここができたね」
- 「漢字のはねの部分が上手だね」
- 「一生懸命がんばってたね」
- 「そろばん、練習してたから合格できたんだね」
といった声かけを意識して行いました。
すると、子どもが「今日、満点で合格したんだよ」と自ら嬉しそうに話してくれるようになったんです。
逆に、「もっときれいな字で書きなさい」と言ってしまった時は、
子:「私は字が汚いから、もうやらない」
と、すっかりやる気を失ってしまうことも。
その時あらためて、言葉のかけ方やタイミングが、子どもの心に与える影響の大きさを実感しました。
承認のスキルで意識したいこと
承認のスキルを日常で活かすためには、次のポイントが大切だと感じました。
- できたときに注目する:結果だけでなく、取り組んだプロセスにも光を当てる
- 当たり前を見逃さない:毎日やっていること、努力していることを言葉にする
- 具体的に、心を込めて、タイミングよく:その瞬間に気づき、伝える
たとえば、
- 「毎日ピアノの練習してるから、出だしの部分良くなったね」
- 「この絵、色使いがきれいだね」
- 「今日は静かに準備してえらかったね」
など、特別な成果ではなくても、“その子らしいがんばり”に気づくことがポイントです。
また、その子の存在自体を認めてあげることも大切だと思います。私の場合なんてことのない、あいさつや、ありがとうと言った言葉を頻繁に使うようにしています。

子どもが変わる、親が変わる
「ちゃんと見てくれてる」と子どもが感じたとき、その信頼は親子関係の土台になります。
親も、子どもの成長を急がせるのではなく、「今ここにある姿」に目を向けることで、心が少し楽になる気がします。
子どもが“なりたい自分”に向かって進んでいくために、私たちはその後ろで見守りながら、必要なときにそっと手を差し伸べる。
チャイルドコーチングの承認スキルは、そんな優しい関係づくりの一助となると思います。
おわりに
承認とは、「すごいね」とほめることではなく、「あなたを見てるよ」と伝えることがとても大切だと思います。
その一言が、子どもの心に深く届くことがあります。
今日も、明日も、子どもの中にある“ちいさながんばり”を見つけてあげたい。
次回は「質問のスキル」について紹介予定です。
やさしい問いかけが、子どもの考える力を育てることにつながると思います。。
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