怒ってる声からはじまる朝
「もういや!」
ある朝、ピアノの練習中に、子どもが顔を膨らませて叫びました。
鍵盤を叩く指先に悔しさがにじみ、私は思わず言葉に詰まりました。
「いやいや、そんなに怒らなくても…」「もう一回やってみればいいねん」
声をかけると、火に油、私の言葉をさえぎって、自分の部屋へ籠ってしまいます・・
これはこれで、割と毎朝続いているのですが・・どう接したらよいのか、迷いながら過ごす日々が続いていました。
うまく関われないもどかしさ
子育ての中で感じる、言葉にしにくいもやもや。
特に最近は、習いごとや宿題の場面で、それを強く感じるようになりましたね。
小学生になったわが子は、左利きで、感受性が豊かです。自分なりのこだわりや感性を持っているタイプです。
ただ、間違いを指摘したり、練習を促したりすると、とても感情的になることがあります。
その反応に戸惑いつつ、「伝え方が良くなかったかな」「そもそも、やらせようとしていたのかも」と、わたし自身の関わり方を振り返るようになりました。
偶然目にした「チャイルドコーチング」
そんなとき、偶然見ていた通信講座の一覧の中に、「チャイルドコーチング」という文字を見つけました。
「こんな資格があるんだ」
子どもの成長や、肯定感を高めてやる気を引き出す技術であると。そして、子どもたちの心や体の成長にあわせたコーチングが学べる。
これは、結構為になるんではないのかな。
もともと、別の資格講座を探していたのですが、なぜかこの言葉が心に残りました。
感情のやりとりで毎日が疲れてしまう今の自分に、必要なのは“方法”ではなく“視点”なのかもしれないなと。
学びへの一歩——必要だったのは“方法”ではなく“視点
通信講座の申込みをしたのは、その数日後です。
資格取得を目指すというよりは、暮らしの中にこの学びを少しずつ取り入れてみたいのと、朝、みんなが気持ちよく笑顔で過ごせること生活を送りたい。子どもの怒っている顔を笑顔にしてあげたいなと
「どうしたらうまく伝えられるか」ではなく、
「この子は今、どんな気持ちなのか」「私はどんなふうに受け止めているのか」
その“間”にあるものを見つめる時間を持てたらいいなと思いました。
テキストのことばに立ち止まる
待っていたテキストが届きました。テキストの他にもコーチングの考え方をまとめるノートなんかもついていました。
ちなみにWeb版でも受講できます。Web版では、テキストや確認問題なんかもあり、音声や動画視聴もできます。車などでの移動中にも聞けるし、会社での休憩中にも勉強ができたりして、使い勝手がいいと思いました。
そんな、教材関係にちょっとした感動を覚えながら、テキストをちらちらめくると。コーチングというのは、答えは相手が持っていて、その答えをどう引き出すのかといったコミュニケーションの取り方を書いてありました。
自分のやっていたのはどうやら私が持っている答えを与える形だったのでティーチングになるようです。なので、うちの子として何か自分で答えを持っているのだけれど、それをうまく伝えれなく、私が勝手に答えを与えていたという構図になっていた模様・・それは確かに怒るかもな。と思いながら、なるほどなと。
コーチングとは、指示やアドバイスではなく、対話を通して相手の気持ちや可能性を引き出す関わり方という感じなので、私の中で、一方的に「教える」「正す」ためのものではないのだと、すとんと腑に落ちました。
子どもが「うまくいかない」と怒るのは、できないことが悔しいから。
でも、その気持ちの奥に「もっとできるようになりたい」など、自分が考えている気持ちという想いがあることを、
私は見逃していて、その考えをうまく引き出せなかったんだなと思ったわけです。

問いかけが変わると、関係も変わり始める
チャイルドコーチングを学び始めて、私の中に少しずつ変化が生まれています。
日々の忙しさの中で、つい結果を急いでしまいがちな自分。
「宿題終わった?」「ピアノ練習した?」という問いかけの前に、
「今日はどんな気分?」「どこでつまずいた?」と、気持ちを聞いてみるようになりました。
まだまだ、うまくいかない日もたくさんあります。
それでも、その不器用なやりとりのひとつひとつに、小さな芽のような変化を感じています。
ちょっとは、朝のあわただしい怒り声もなくなってきたんじゃないかな。と
育ちの時間に、寄り添う学びを
この学びを通じて、もし同じようなことで悩んでいる方がいたら、
「そんなふうに感じるの、私だけじゃなかったんだ」と思ってもらえたらうれしいです。
水やりや葉のチェック。
盆栽の枝が知らぬ間に伸びていたことに、季節のうつろいを感じるように、
小さな自然の変化が心をほどいてくれるように。
子どもとの関わりの中でも、そんな静かな気づきを育てていけたら——。
まだまだ、チャイルドコーチングは学びの途中です。
これからも、暮らしの中に学びをそっと重ねていきたいと思います。
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