娘にお金の話をしてみたものの、こちらが期待するほど真面目には聞いてくれませんでした。
親としては「将来困らないために知ってほしい」と力が入りますが、子どもにとって遠い未来の話は、まだ実感しにくいものなのかもしれません。
今回読んだのは、三浦康司さんの『10歳までに身につけたい 子どもが一生困らないお金のルール』です。
お小遣いの渡し方だけでなく、働くこと、商売、お金の流れ、電子マネー、ライフプランまで、子どもと話すきっかけが詰まっていました。
わが家で採用している報酬型のお小遣いと照らし合わせながら、娘と一緒に本の内容を考えてみた様子を紹介します。
- お金の使い方だけでなく、働くことや将来について考えられる本
- お小遣いの渡し方には定額型・報酬型・混合型がある
- わが家では、お手伝いに応じて渡す報酬型を採用している
- 人生を「学ぶ・働く・楽しむ」の3段階から考えてみた
- 子どもが聞かないときは、一度で教え込まず日常の中で繰り返す
『子どもが一生困らないお金のルール』はどんな本?
本書は、お金を貯める方法だけを教える本ではありません。子どもにとって身近なお小遣いを入口に、お金が社会の中をどのように動くのか、働くことや将来の夢とどうつながるのかを親子で考えられる一冊です。
本書の基本情報
書籍の基本情報をまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 10歳までに身につけたい 子どもが一生困らないお金のルール |
| 著者 | 三浦康司さん |
| 出版社 | 青春出版社 |
| 発売時期 | 2019年7月 |
| ページ数 | 160ページ |
| 主なテーマ | お小遣い、商売、電子マネー、世界のお金、ライフプラン |
著者の三浦康司さんは、子ども向けの金銭教育に取り組んできた方です。本書では、家庭で話しやすい身近な例を使いながら、お金と人生の関係をやさしく伝えています。
詳しい書誌情報や本書で扱われているテーマは、青春出版社の書籍紹介ページで確認できます。
おとう子どもに対しての本ですが、親自身が「家庭でお金をどう伝えるか」を考えるきっかけにもなりました
お小遣いからライフプランまで扱っている
本書の特徴は、お小遣いのルールだけで終わらないところです。商売の仕組み、電子マネーなどの見えないお金、世界のお金、将来の夢とライフプランへと話が広がっていきます。
お金の教育というと、貯金や無駄遣いを減らす話を思い浮かべがちです。しかし実際には、何のために学び、働き、お金を使うのかを考えることも含まれます。
お金を人生の目的にするのではなく、自分らしく暮らすための道具として捉える。この視点は、子どもだけでなく大人にも必要だと感じました。
どんな家庭に向いている?
本書は、子どもにお小遣いを渡し始めたい家庭や、現在の渡し方を見直したい家庭に向いています。また、電子マネーやゲーム課金など、現金が見えにくい時代のお金について話したい場合にも役立ちます。
「10歳まで」という題名ですが、10歳を過ぎたら遅いという意味で受け取る必要はありません。子どもの年齢や興味に合わせ、理解できる話題から少しずつ取り入れる読み方が現実的でしょう。
親子でお金について話す入口が欲しい人は、本書を手元に置き、興味を示したページから一緒に読んでみると始めやすいですよ。
家庭で話すテーマを見つけながら読みたい人に、親子のお金教育を幅広く扱った一冊です。
本書の要約|家庭で考えたい5つのお金のルール
ここでは、本書全体を読む代わりになるような細かな内容ではなく、わが家で特に考えるきっかけになったテーマを整理します。本を読んで終わりにせず、親子の会話や日々のお小遣いへどうつなげるかという視点でまとめました。
お小遣いはお金の使い方を学ぶ練習になる
子どもが自分で使えるお金を持つと、「今使う」「欲しいもののために貯める」「今回は買わない」という選択が生まれます。
親が毎回正解を決めるのではなく、限られた金額の中で子ども自身が考えることに意味があります。小さな買い物で迷った経験も、次の判断材料になっていくのでしょう。
J-FLECでは、小学生向けにお金の種類、お小遣いの使い方、貯め方を学べる教材を公開しています。J-FLECの小学生向け金融教育教材を見ると、家庭で話すテーマを探すときにも役立ちます。
働くこととお金がつながっている
お金は、何もしなくても自由に使えるものではありません。誰かの仕事や商品、サービスの提供を通して動いています。
報酬型のお小遣いでは、お手伝いをした結果としてお金を受け取るため、働くことと収入の関係を伝えやすくなります。一方で、家族として無償ですることと、報酬が発生する仕事の境界が曖昧になりやすい面もあります。
何でもお金に換えるのではなく、報酬の対象を親子で決めることが必要です。
お金には見えるものと見えないものがある
現金なら、財布からお金が減る様子を目で確認できます。電子マネーやクレジットカード、ゲーム内の課金では、使った金額を実感しにくくなります。
子どもには「画面を押しただけ」に見えても、実際には家計からお金が支払われています。買い物のあとに利用履歴やレシートを一緒に見ると、見えないお金も現金と同じように減っていることを伝えやすいでしょう。



キャッシュレス決済を禁止するより、使った金額を一緒に確認する方が学びにつながりそうですね。
貯める目的があると行動が変わる
ただ「貯金しなさい」と言われても、子どもには理由が見えません。欲しいものや、やってみたいことが決まると、今使うか貯めるかを自分で考えやすくなります。
目標金額まであといくらなのか、そのためには何回お手伝いをすればよいのか。数字と行動がつながると、貯金は我慢だけではなく、欲しいものへ近づく計画になります。
金額の大小よりも、自分で目的を決めて貯める経験を作ることが、家庭で始めやすい実践だと感じました。
お金の先にある人生を考える
本書を読んで特に心に残ったのが、ライフプランについて子どもと考える視点です。
お金の知識は、たくさん持つためだけに学ぶものではありません。将来どんな仕事をしたいのか、何を楽しみたいのか、どのような暮らしを送りたいのか。その選択とお金はつながっています。
小学生のうちから細かな人生計画を決める必要はありません。それでも「どんな大人になりたい?」と話してみると、学ぶことと未来のつながりに少しずつ気づけるかもしれません。
お小遣いの定額型・報酬型・混合型を比較
お小遣いの渡し方には、それぞれ異なる学びと難しさがあります。どれが正解というわけではなく、子どもの性格や年齢、家庭で身につけてほしいことに合わせて選ぶのがよさそうです。
3つのお小遣い方式の違い
代表的な3つの渡し方を比較しました。
| 渡し方 | 仕組み | 学びやすいこと | 気をつけたいこと |
|---|---|---|---|
| 定額型 | 毎週・毎月、決まった金額を渡す | 予算管理、計画的な使い方 | お金と働くことが結びつきにくい |
| 報酬型 | お手伝いなどに応じて渡す | 働くことと収入の関係 | 報酬がないと手伝わなくなる場合がある |
| 混合型 | 定額と報酬を組み合わせる | 予算管理と働く経験の両方 | ルールが複雑になりやすい |
定額型は、決められた金額を一定期間でやりくりする練習に向いています。報酬型は、行動と収入の関係が分かりやすい方法です。
混合型は両方の長所を取り入れられますが、「何が定額で、何が報酬なのか」を明確にしないと、親子で認識がずれる可能性があります。



家庭に合う形を一度決めても、子どもの成長に合わせて見直してよいと思います。
わが家は報酬型のお小遣い
わが家では現在、お手伝いをするとお小遣いを渡す報酬型を採用しています。
子どもにとっては、自分が動いた分だけお金を受け取れるため、仕組みが分かりやすい方法です。「欲しいものがあるなら、何をすればお金を貯められるか」と考えるきっかけにもなります。
ただし、食器を運ぶ、使ったものを片づけるなど、家族として自然にしてほしいことまで、すべて報酬の対象にはしない方がよいでしょう。わが家でも、今後はその線引きを親子で整えていきたいと考えています。
報酬型は金額よりルールを明確にする
報酬型を続けるなら、仕事の内容と金額をその都度変えるより、ある程度決めておいた方が分かりやすくなります。
たとえば、普段の片づけは家族の役割、風呂掃除や玄関掃除など一定の作業は報酬の対象といった分け方です。作業が終わったと判断する基準も、簡単に共有しておくとトラブルを減らせます。
親の都合で金額を上げ下げするのではなく、仕事・完了条件・金額をセットにする。これだけでも、報酬型のお小遣いが小さな仕事体験に近づきます。
娘と「学ぶ・働く・楽しむ」の3つの時代を話してみた
本書をきっかけに、娘とはお小遣いだけでなく、人生とお金の関係についても話しました。内容は少し難しかったようで、こちらが思うほど真面目には聞いてくれません。それでも、今すぐ完全に理解することより、言葉に触れる機会を作ることを意識しました。
人生を3つの段階に分けて考えた
娘には、人生を大きく「学ぶ時代」「働く時代」「楽しむ時代」の3段階に分けて話しました。
今はさまざまなことを学び、将来は働いて収入を得て、その先には自分の時間を楽しむ時期がある。そんな長い流れを、できるだけ簡単な言葉で伝えています。
娘にも「自分はいま学ぶ時代にいる」と少しずつ感じてもらえたらと思いました。現在の勉強が将来の選択肢につながっていると分かれば、学ぶ意味の見え方も変わるかもしれません。
3つの時代は完全に分かれるわけではない
ただし、「子どもの間は学ぶだけ」「大人になったら働くだけ」という伝え方には注意が必要です。学ぶ時代にも遊びや楽しみがあり、働き始めてからも学びは続きます。
この3段階は人生を固定するルールではなく、長い時間の流れを子どもに説明するための一つの見方です。
今も楽しみながら学び、大人になっても学び続ける。その補足まで伝えた方が、子どもを必要以上に窮屈にさせずに済むと感じました。



「いまは勉強だけをする時期」と押しつけるのではなく、未来を想像するための話として伝えたいですね。
自立とは自分で考えて選ぶこと
親として願っているのは、娘が単にお金を貯められるようになることではありません。
欲しいものができたときに、必要な金額を考える。今買うのか、少し待つのかを決める。将来やりたいことのために、何を学ぶか選ぶ。そんなふうに、自分で考えて決められる人になってほしいと思っています。
お金の教育は、そのための練習の一つです。親がすべて答えを教えるのではなく、子どもが考える時間を少し残すことも、自立につながっていくのかもしれません。
子どもが真面目に聞かないときはどうする?
お金や将来について、親が一生懸命に話しても、子どもが興味を示すとは限りません。わが家でも、娘が最初から最後まで真剣に聞いてくれたわけではありませんでした。そこで、一度の説明で理解させるのではなく、生活の中で少しずつ話す方法が合っていると考えています。
一度に全部教えようとしない
お小遣い、仕事、貯金、電子マネー、ライフプランを一度に説明すると、話が長くなります。子どもが途中で飽きてしまうのも無理はありません。
最初は「お金はどこから来ると思う?」「これを買うには何回お手伝いが必要かな?」など、一つの問いだけでも十分です。
買い物をした日、お小遣いを渡した日、欲しいものが見つかった日など、子どもの関心が動いた瞬間に短く話す方が、内容を自分のこととして捉えやすくなります。
子どもの「欲しい」を学びの入口にする
欲しいものが見つかったときは、貯金や仕事について話すよい機会です。
すぐに買うか、次のお小遣いまで待つか、お手伝いを増やすか。親が答えを決める前に、子どもへ選択肢を示して考えてもらいます。
欲しい気持ちを否定せず、そこから必要な金額と方法を考えると、お金の話が説教になりにくくなります。失敗や使いすぎがあっても、少額のうちなら次の使い方を考える材料にできます。



買わないよう説得するだけでなく、どうすれば買えるかを一緒に考えるのですね。
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親子で一緒に学ぶ姿勢を持つ
お金の仕組みや制度は変わるため、親がすべてを知っている必要はありません。分からないことが出てきたら、「一緒に調べてみよう」と伝えるのも一つの学びになります。
J-FLECでは、小学生向けのお金の教材も公開されています。金融を学べる教材の一覧から子どもの学年に合う内容を選べるため、本と組み合わせて使うのもよいでしょう。
親が教える人、子どもが教わる人と固定せず、親子で確かめる時間を作る。その方が長く続けやすいと感じます。
仕事や家事でまとまった読書時間を取りにくいときは、書籍の要点を短時間で確認できるflierも選択肢になります。
私も実際に使ってみて、気になる本を購入するか判断したり、普段は選ばない本を見つけたりするのに便利だと感じました。読書時間を無理なく増やしたい方は、flierの口コミ・評判と実際に使って分かったメリット・デメリットも参考にしてみてください。


わが家でこれから続けたい3つの実践
本を読んで一度話しただけでは、お金の感覚は身につきません。そこで、わが家では現在の報酬型お小遣いを続けながら、記録と会話を少しずつ加えていきたいと考えています。無理なく続けられるよう、最初から多くのルールは作りません。
お手伝いと報酬を分かりやすくする
最初に整えたいのは、お金を渡すお手伝いと、家族としてすることの区別です。
| 続けたい実践 | 家庭で行うこと | 子どもが経験できること |
|---|---|---|
| 仕事を決める | 報酬の対象と金額を話し合う | 働くことと収入 |
| 記録する | 受け取った額と使った額を書く | お金の管理 |
| 目的を考える | 欲しいものと必要額を確認する | 計画して貯めること |
ルールを細かくしすぎると、親も子どもも続けにくくなります。まずは報酬の対象を数個に絞り、実際に試しながら見直す予定です。
お金を使ったあとに短く振り返る
買い物のたびに細かく注意されると、子どもは自分で選んだ感覚を持ちにくくなります。
そこで、「買ってみてどうだった?」「次も同じものに使いたい?」と、使ったあとの感想を短く聞く程度から始めます。
金融広報中央委員会の子ども向けこづかい帳も公開されているため、記録に興味を示したら利用してみるのもよさそうです。毎日完璧につけるより、まずは大きな入出金だけ記録する方が続けやすいでしょう。



記録そのものが目的にならないよう、子どもが見返せる量から始めたいと思います。
将来の夢とお金をつなげて話す
「将来何になりたい?」と聞いても、子どもの答えは何度も変わります。それでよいと思います。
興味のある仕事が出てきたら、どんなことを学ぶのか、どのような働き方があるのかを一緒に調べます。旅行や習い事など、仕事以外にやってみたいことから考える方法もあります。
ライフプランを一度で完成させるのではなく、興味が変わるたびに話を更新する。その積み重ねが、自分の人生とお金を結びつけて考える練習になりそうです。
書籍の学びを家庭で試したほかの記事は、読んで試した本のまとめでも紹介しています。


小学生の学びについて考えたい方は、『小学校最初の3年間で本当にさせたい「勉強」』を読み聞かせた記録もあわせてご覧ください。


まとめ|お金の話は日常の中で少しずつ続ける
『10歳までに身につけたい 子どもが一生困らないお金のルール』は、お小遣いを入口に、働くことや社会のお金、将来の暮らしまで親子で考えられる本でした。わが家では報酬型を続けながら、一度に教え込まず、日常の小さな選択から一緒に学んでいきたいと思います。
- 本書は三浦康司さんによる子どものお金教育の本
- お小遣いから商売、電子マネー、世界のお金まで扱っている
- 将来の夢とお金をつなげるライフプランも学べる
- お小遣いの渡し方には定額型・報酬型・混合型がある
- わが家ではお手伝いに応じて渡す報酬型を採用している
- 報酬型では家族の役割と仕事の線引きが必要
- 娘と人生の「学ぶ・働く・楽しむ」時代について話した
- 3つの時代は完全に分かれるものではない
- 子どもが聞かないときは一度に全部教えようとしない
- 欲しいものや買い物をお金の学びへつなげる
まずは次にお小遣いを渡すとき、「何に使いたい?」と一つだけ聞いてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。すぐに答えが返ってこなくても、親子で時間をかけながら一緒に学んでいけたら十分だと思います。


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